医療用ブタとは :
最先端の遺伝子改変技術や体細胞クローニング技術を駆使して開発される
指定病原体フリー (DPF: Designated Pathogen Free) のブタ
News
2023年10月2日
当社が代表機関を務める医療研究開発革新基盤創生事業(CiCLE)の環境整備課題の成果として、移植用ドナー豚の病原体検査パネルが開発されました。標的病原体数は世界最多、国内での異種移植実現に向けた大きな一歩です医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)
2022年1月20日
当社が手掛ける異種移植の患者ニーズ、当社事業概要、当社代表取締役長嶋及び当社取締役で世界で初めて生体膵島移植に成功させた松本のインタビューコメントが放送されましたテレビ東京 ワールドビジネスサテライト
2021年1月7日
令和2年度 「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE):第5回公募」におけるViCLEイノベーション創出環境整備タイプに当社を代表機関とする課題「医療用ブタ製造を目指した基盤整備」が採択されました医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)
Background to the Foundation
株式会社ポル・メド・テックは、クローンブタ生産、遺伝子改変ブタによるヒト遺伝性疾患の再現、胚盤胞補完法による臓器再生、受精卵や組織の凍結保存などで国際的評価を受ける明治大学バイオリソース研究国際インスティテュート(所長:長嶋比呂志 農学部教授)の研究成果の社会実装を目的として2017年2月に設立されました。アンメットメディカルニーズへのソリューション提供を目的に、2021年には「ヒトへ移植可能な臓器・組織を次世代再生医療等製品として製造・販売し、世界の医療と人々の健康に貢献する」という新たなミッションを掲げました。この目的の早期実現のため、医療用に開発された高付加価値ブタを創出・利用し、製品を安価・安定に供給する革新的ビジネスを展開します。
今日の臓器移植医療において、日本では圧倒的なドナー不足の中、2010年の臓器移植法成立後も待機患者は年々増加しており、移植待機患者のうち実際に移植を受けられるのは約2%と深刻な需給ギャップが存在する状況です。世界に目を転じても、人口100万人あたりの臓器提供者数が日本に比べ40倍以上の米国でさえ、移植待機患者数に対してドナーが圧倒的に不足しており、臓器移植待機中に毎日17人が亡くなっているのが現状です。
このような状況下に、人工透析等の高額な対症療法が実施されていますが、患者の身体的負担のみならず、医療費の膨張が社会問題となっています。そこで当社は、従来の医療では提供し得なかったソリューションの提供を目指します。当社は、ブタを臓器移植や再生臓器の生産に活用するという新たなアプローチを、アンメットメディカルニーズの解決策として提唱します。再生医療等製品の製造販売業者として、ヒトに移植可能な臓器の提供を通じて、移植・再生医療に貢献することが当社の事業ビジョンです。
糖尿病・腎疾患・肝疾患・肺疾患などは羅患者数が多い疾患であり臓器移植によって根本治療が可能な疾患ですが、移植向け臓器数が著しく少ない為、日本では移植医療需要は2%しか満たされていな深刻な状況です。
世界でも、例えば臓器移植が比較的進んでいる米国でさえ、臓器が不足しており、移植待機中に毎日17人の方が亡くなっています。
人工透析や高額な対症療法が実施されていますが、患者・家族への負担は大きくQOLが非常に悪くなっています。また、医療費の観点でも、膨大な支出となっています。例えば、日本では腎透析は2兆円でありこれは総医療費の4%を占めます。
日本における
移植医療の需要充足率
米国における
移植待機中の平均死者数
日本の総医療費に占める
腎透析費用の割合
出所:日本臓器移植ネットワーク
Core Competence
遺伝子操作した細胞から、無性生殖的な体細胞クローニングによって直接遺伝改変個体を生産する技術は、ポル・メド・テックのコアテクノロジーの一つです
厚生労働省異種移植ガイドラインに指定された病原体(ウィルス・細菌・真菌・原虫)を持たないブタを低コストに生産できる製法を開発しました
AMEDの令和2年度 「CiCLE:第5回公募」におけるViCLEイノベーション創出環境整備タイプに当社を代表機関とする課題「医療用ブタ製造を目指した基盤整備」として採択済みであり、設備建設、製法の産業応用化に向け取り組みを進めています
ブタ胎仔臓器原基にヒト幹細胞・前駆細胞を移植し、ヒト細胞で構築された臓器を作出
ヒトへの臓器移植後、ヒト・ブタのキメラ状態である臓器がヒト体内で発達するのと並行して、ブタ由来細胞の細胞死誘導や細胞増殖の制御により徐々に消失させることで、最終的にヒト化した臓器となる
Publication
Umeyama K, Watanabe M, Saito H, Kurome M, Tohi S, Matsunari H, Miki H, Nagashima H: Dominant t-negative mutant hepatocyte nuclear factor 1alpha induces diabetes in transgenic-cloned pigs. Transgenic Research, 18(5): 697-706, 2009.
Umeyama K, Nakajima M, Yokoo T, Nagaya M, Nagashima H: Diabetic phenotype of transgenic pigs introduced by dominant-negative mutant hepatocyte nuclear factor 1α. Journal of Diabetes and its Complications, 31(5):796-803, 2017.
Watanabe M, Nakano K, Matsunari H, Matsuda T, Maehara M, Kanai T, Kobayashi M, Matsumura Y, Sakai R, Kuramoto M, Hayashida G, Asano Y, Takayanagi S, Arai Y, Umeyama K, Nagaya M, Hanazono Y, Nagashima H: Generation of interleukin-2 receptor gamma gene knockout pigs from somatic cells genetically modified by zinc finger nuclease-encoding mRNA. PLOS ONE 8:e76478, 2013.
Matsunari H, Nagashima H, Watanabe M, Umeyama K, Nakano K, Nagaya M, Kobayashi T, Yamaguchi T, Sumazaki R, Herzenberg L.A., Nakauchi H. Blastocyst complementation generates exogenic pancreas in vivo in apancreatic cloned pigs. Proc Natl Acad Sci USA, 110:4557-4562, 2013.
Matsunari H, Watanabe M, Hasegawa K, Uchikura A, Nakano K, Umeyama K, Masaki H, Hamanaka S, Yamaguchi T, Nagaya M, Nishinakamura R, Nakauchi H, Nagashima H: Compensation of disabled organogeneses in genetically modified pig fetuses by blastocyst complementation. Stem Cell Reports:14:21-33, 2020.
Matsunari H, Watanabe M, Hasegawa K, Uchikura A, Nakano K, Umeyama K, Masaki H, Hamanaka S, Yamaguchi T, Nagaya M, Nishinakamura R, Nakauchi H, Nagashima H: Compensation of disabled organogeneses in genetically modified pig fetuses by blastocyst complementation. Stem Cell Reports:14:21-33, 2020.
Nagaya M, Hasegawa K, Watanabe M, Nakano K, Okamoto K, Yamada T, Uchikura A, Osafune K, Yokota H, Nagaoka T, Matsunari H, Umeyama K, Kobayashi E, Nakauchi H, Nagashima H: Genetically engineered pigs manifesting pancreatic agenesis with severe diabetes. BMJ Open Diabetes Research & Care, 8:e001792, 2020.
Umeyama K, Watanabe K, Watanabe M, Horiuchi K, Nakano K, Kitashiro M, Matsunari H, Kimura T, Arima Y, Sampetrean O, Nagaya M, Saito M, Saya H, Kosaki K, Nagashima H, Matsumoto M: Generation of heterozygous fibrillin-1 mutant cloned pigs from genome-edited foetal fibroblasts. Scientific Reports, 6:24413, 2016.
Matsunari H, Honda M, Watanabe M, Fukushima S, Suzuki K, Miyagawa S, Nakano K, Umeyama K, Uchikura A, Okamoto K, Nagaya M, Toyooka T, Sawa Y, Nagashima H: Pigs with δ-sarcoglycan deficiency exhibit traits of genetic cardiomyopathy. Laboratory Investigation, 100:887-899, 2020.
Matsunari H, Watanabe M, Nakano K, Enosawa S, Umeyama K, Uchikura A, Yashima S, Fukuda T, Klymiuk N, Kurome M, Kessler B, Wuensch A, Zakhartchenko V, Wolf E, Hanazono Y, Nagaya M, Umezawa A, Nakauchi H, Nagashima H: Modeling lethal X-linked genetic disorders in pigs with ensured fertility. Proc of Natl Acad Sci USA, 115:708-713, 2018.
R&D Pipelines
医療用DPFブタの膵島の移植によるインスリン依存型糖尿病患者様の重症無自覚性低血糖症の解消を目指します。免疫隔離アルギン酸マイクロカプセルと皮下移植用デバイスの併用により、外来診療による施術と免疫抑制剤が不要な治療を実現します
インスリン分泌能を増強した医療用DPFブタの膵島を用い、インスリン依存型糖尿病患者様のインスリン投与療法からの解放を目指します
末期腎不全患者様の腎移植による救済を目指し、遺伝子改変した医療用DPFブタ腎臓とiPS細胞由来ヒト腎臓細胞とを組み合わせたヒト化ハイブリッド腎臓を開発します
2021年10月 遺伝子改変ブタの腎臓をヒトに移植する試みが、米国ニューヨーク大学で初めて行われました。遺伝子改変ブタ腎臓の利用は、待機患者数の多い腎移植の現状を打破するための有望な方策であると期待されます。ポル・メド・テックが保有するブタの遺伝子改変技術と医療用ブタの生産システムを用いて、移植用ブタ腎臓生産の事業化を進める計画です
BBC News機能性細胞のスフェロイド、オルガノド、細胞シート等の人工組織の凍結保存技術の開発を、ポル・メド・テックが有するガラス化技術を駆使してお手伝いします
ヒトや動物の受精卵凍結保存に用いられるガラス化技術を改良し、膵島、オルガノイド、人工組織(細胞シート)、胎仔臓器などの超低温ガラス化保存法を開発しました
Nagaya M, Matsunari H, Kanai T, Maehara M, Nakano K, Umeki I, Katsumata Y, Kasai Y, Sakai R, Kobayashi M, Honda K, Abe N, Watanabe M, Umeyama K, Nagashima H: An effective new cryopreservation procedure for pancreatic islets using hollow fiber vitrification. Hormone and Metabolic Research, 48(8):540-549, 2016.
Matsumoto K, Yokoo T, Matsunari H, Iwai S, Yokote S, Teratani T, Gheisari Y, Tsuji O, Okano H, Utsunomiya Y, Hosoya T, Okano H.J, Nagashima H, Kobayashi E. Xenotransplanted embryonic kidney provides a niche for endogenous mesenchymal stem cell differentiation into erythropoietin-producing tissue. Stem Cells, 30:1228-35, 2012.
Maehara M, Sato M, Watanabe M, Matsunari H, Kokubo M, Kanai T, Sato M, Matsumura K, Hyon SH, Yokoyama M, Mochida J, Nagashima H: Development of a novel vitrification method for chondrocyte sheets. BMC Biotechnology, 13:58, 2013.
遺伝子改変ブタやクローンブタは、移植用のヒト臓器や組織の生産プラットフォーム(文献1〜3)として、また薬剤や治療法の開発や有効性検証のためのモデル(文献4)として注目されています。ユーザー様の使用目的に特化した遺伝子改変ブタやクローンブタを生産します
T. Rashid, T. Kobayashi, H. Nakauchi: Revisiting the flight of Icarus: making human organs from PSCs with large animal chimeras
Cell Stem Cell, 15 (2014), pp. 406-409. Matsunari H, Nagashima H, Watanabe M, Umeyama K, Nakano K, Nagaya M, Kobayashi T, Yamaguchi T, Sumazaki R, Herzenberg L.A., Nakauchi H. Blastocyst complementation generates exogenic pancreas in vivo in apancreatic cloned pigs. Proc Natl Acad SciUSA, 110:4557-62. 2013.
Yokote S, Matsunari H, Iwai S, Yamanaka S, Uchikura A, Fujimoto E, Matsumoto K, Nagashima H, Kobayashi E, Yokoo T: Urine excretion strategy for stem cell-generated embryonic kidneys. Proc Natl Acad Sci USA, 112: 12980-12985, 2015.
McGonigle P, Ruggeri B: Animal models of human disease: Challenges in enabling translation. Biochemical Pharmacology, 87: 162-171, 2014.
Corporate Profile
Management Team
明治大学農学部生命科学科教授 同大学バイオリソース研究国際インスティテュート所長
日清製粉中央研究所研究員、豪アデレード大学医学部産婦人科研究室客員研究員、豪ブリザジェンリミテッド主任研究員、大阪大学医学部付属バイオメディカル教育研究センター 臓器制御部門 臓器移植学研究部研究員などを経て、1999年より明治大学農学部勤務。臓器再生や稀少・難治性疾患の克服を目標として、遺伝子改変ブタやクローンブタを用いたトランスレーショナル・リサーチに取り組んでいる
農学博士(東京大学大学院農学系研究科博士課程修了) 専門は発生工学、生殖生物学
iPS血小板開発会社 メガカリオン 創業者・取締役会長
再生医療特許管理会社 iCELL 共同創業者・代表取締役
投資会社アルディート・アセット・マネジメント共同創業者取締役
米Bain & Companyを経て、培養皮膚開発を手掛けるBioSurface Technology(現、Sanofiの一部門)を共同創業
東京大学経済学部卒業 ハーバード大学経営大学院修了(MBA with Distinction)
世界経済フォーラム(ダボス会議)評議員
SIIFインパクトキャピタル株式会社 共同創業者・代表取締役。エムスリー株式会社にて事業開発グループ投資担当パートナー、エムスリーアイ株式会社 代表取締役社長、シーズロケットファンド主任組合員。株式会社産業革新機構 ヴァイスプレジデント。日本アジア投資株式会社 シリコンバレー駐在員、シンガポール等の東南アジア各国の現地法人社長、東京本社社長室長等を歴任。
東京薬科大学大学院 生命科学研究科博士前期課程修了(修士)
米金融大手Fidelityの資金を活用した国内VCであるエイトローズにて、ヘルスケア分野の投資・育成の責任者
18年在籍した三井物産では、IT及びヘルスケア領域にて新規事業創出、M&A、企業経営に携わる。米国・シンガポール・ベトナムに計9年駐在
東京都立大学(電気工学科)
INSEAD(Executive Educational Program)
株式会社京屋(化学工業薬品商社)取締役
厚生労働省 医薬食品局にて監視指導・麻薬対策課GMP指導官、医政局にて研究開発振興課課長補佐(技術総括)等の職務を歴任
医薬品医療機器総合機構 医療機器審査第一部、 産業革新機構 戦略投資グループ健康・医療チームへの出向経験
岐阜市立岐阜薬科大学大学院 薬学研究科博士前期課程修了
大和証券入社後、機関投資家営業部で株式セールストレーディング業務に従事。運用会社へ転職しファンドマネージャー兼CTO。退職後、企業経営を経験しその後ベンチャー支援。
早稲田大学商学部卒業
日本銀行・考査局考査役、金融機構局・上席考査役、熊本支店長、預金保険機構・審議役、三井住友信託銀行・上席理事、三井生命保険・顧問、山田コンサルティンググループ・顧問等を歴任。
太陽有限責任監査法人・顧問(現任)
早稲田大学卒業
大学院生時(2000年)より異種移植に興味を持ち日本(小動物が主)、アメリカ(大動物が主)、そして現在中国にて異種移植研究の発展に20年以上にわたり貢献。 博士号所得後2004に年渡米し、ピッツバーグ大学(その後アラバマ大学バーミングハム校)で、Dr. Cooperと共に大動物を用いた前臨床異種移植研究に従事。これまでブタからヒヒまたはサルへの心臓、肝臓、腎臓、膵島、および角膜の異種移植、並びにブタを用いた同種移植研究に携わる。 さらに、異種移植後のレシピエントの免疫モニタリングやブタの遺伝子改変がどのようにヒト免疫反応から回避できるかをin vitroで明らかにするなど、異種移植免疫に関する豊富な経験を持つ。
1995年
川崎医科大学卒業
1995年
広島大学(旧第2外科)研修医
1996年
日本赤十字社松山赤十字病院 外科
1998年
国立療養所広島病院 外科
2000年
広島大学(旧第2外科)
2004年
広島大学大学院 医系科学研究科 医学博士
2004年
アメリカ合衆国 ピッツバーグ大学トーマス E.スターツル移植研究所:博士研究員
2007年
同上:インストラクター
2011年
同上:助教
2016年
アメリカ合衆国 アラバマ大学バーミングハム校外科 助教
2017年
同上 准教授
2022年
中国 雲南農業大学獣医学部 准教授 / 雲南農業大学工学研究センター副所長
2022年
同上 教授
2024年
中国/海南医科大学第2附属病院移植研究所 教授
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明治大学地域産学連携研究センター