eGenesis社とOrganOx社が脳死者への遺伝子改変ブタ肝臓の使用に成功

eGenesis社とOrganOx社が脳死者への遺伝子改変ブタ肝臓の使用に成功

Press Release

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2024/01/23

2024/01/23

臓器不全治療のために人間と互換性のある臓器や細胞の開発を進めるバイオテクノロジー企業:eGenesis 社と、摘出臓器の灌流システムの治療応用に焦点を当てた医療機器会社:OrganOx 社は、脳死ドナー患者に対して遺伝子改変ブタの肝臓を使用した体外灌流治療実験を成功裏に完了したことを発表しました。この脳死ドナー患者は、進行中の PERFUSE-2研究に登録された最初の患者でした。

この研究は、臨床研究の発展を通じて他の家族を助けたいと願う脳死ドナー家族の寛大な支援により実現し、ペンシルベニア大学移植研究所とギフト・オブ・ライフ・ドナー・プログラムとの共同作業で行われました。この実験では、eGenesis 社のブタ肝臓:EGEN-5784を OrganOx 社の体外肝臓灌流装置(ELC)に接続し、脳死ドナー患者の血液が遺伝子改変ブタの摘出肝臓に灌流するようにしました。処置全体を通じて、安定した血流、血圧、pHが維持され、活発な胆汁生成も確認されました。拒絶反応の兆候は観察されませんでした。試験プロトコルに従い、72 時間後に灌流は計画的に停止されましたが、その時点で肝臓は健康な状態を保っていました。

PERFUSE-2 研究は、肝臓灌流システムを使用して、肝不全に苦しむ患者をサポートする可能性を評価するために実施されています。米国では年間 30 万人以上の患者が様々な形の肝不全で入院し、急性期治療が必要となります。既存の肝機能補助手段の効果は限られており、肝不全の患者は高い死亡リスクに直面します。人間と互換性のある遺伝子改変ブタの肝臓の利用により機能不全に陥った患者の肝臓をサポートすることで、患者自身の肝臓の回復のための時間、または肝臓移植を受けるまでの待機時間が確保できる可能性があります。eGenesis 社と OrganOx 社はこの技術を共同開発しており、2024 年に米国食品医薬品局(FDA)に新薬臨床試験開始申請(IND)を提出し、ヒトでの最初の臨床研究を開始する予定です。

この研究で使用された遺伝子改変ブタの肝臓は、Nature 誌に最近掲載された画期的な前臨床研究で使用されたブタの腎臓と同じ遺伝子を持っています。これらの遺伝子編集には、(1) 超急性拒絶に関与する糖鎖抗原の合成に関与する 3 つの遺伝子のノックアウト、(2) 炎症、自然免疫、血液凝固そして補体などの拒絶反応を調節する経路に関与する 7 つのヒト遺伝子の挿入、(3) ブタゲノム内に存在する内在性レトロウイルスの不活性化が含まれます。

eGenesis 社の社⾧兼最高経営責任者であるマイケル・カーティス博士は、次のように述べています。「脳死ドナー患者とその家族のお陰で、この重要な医療成果を挙げることができ、肝臓サポートが必要な多くの患者に対する救済法の開発への道が切り開かれたことに、心からの感謝を表したいと思います。さらに、この研究は異種移植分野における先駆的な成果であり、私たちの新薬臨床試験開始申請にとって重要な情報が提供得られました。」

ペンシルベニア大学移植研究所の医師アブラハム・シェイクド博士は、「この研究の成功により、高度な遺伝子改変技術を駆使する臓器製品の開発が促進され、臓器不全患者への新規の高品質治療オプションの提供に繋がります。」と述べました。

OrganOx 社の最高医療責任者であるピーター・フレンド教授は「これは、急性肝不全の効果的な治療法を目指す私たちの旅における重要なマイルストーンです。eGenesis 社の遺伝子改変ブタの肝臓を接続した OrganOx ELC システムは、最新の臓器灌流技術と生きた肝臓の機能とを結びつけたものであり、重篤な患者にとっての命綱となる治療法を提供することを目指しています。これにより、患者自身の肝臓が回復する時間、または移植を受けるための時間が得られます。」と述べました。

ギフト・オブ・ライフ・ドナー・プログラムのリチャード・D・ハズ・Jr.社⾧兼 CEO は、以下の様に述べています。「国内の代表的な臓器調達組織の一つとして、移植への架け橋や治癒までの時間の提供という新たな希望を、移植待機患者にもたらす可能性のある先駆的な研究に協力できたことを誇りに思います。このすばらしい研究は、自らの悲しみを乗り越え、他者の苦しみを軽減する手助けをしたいと願う脳死ドナー患者家族の思いやりのおかげで可能となりました。私たちは、臓器提供を選択する家族の優しさに毎日感銘を受けています。私たちは、ペンシルバニア大学医学部、eGenesis 社そして OrganOx 社と協力することにより、この進化途上の医療分野を今後さらに前進させることを楽しみにしています。」

脳死ドナー患者の家族の一人は「私たちの家族はこの医学的進歩を支援し、私たちの愛する人が残したものが将来多くの人々に利益をもたらすことを誇りに思っています。この度の献体が将来、重篤な病気に苦しむ人々に希望を与えるであろうことは、私たちの愛する人の無欲と思いやりの証です。」と述べました。

OrganOx 社について

OrganOx 社は、摘出臓器灌流システムの治療応用に注力する英国の医療機器企業です。最初の製品である OrganOx metra normothermic liver machine perfusion system は、世界中で3000 回以上の肝臓移植手術で使用されており、肝臓の品質評価と保存期間の延⾧を可能にすることで、提供臓器の使用を最適化します。腎臓移植を含む他の治療応用も開発中です。詳細は www.organox.com をご覧ください。

eGenesis 社について

eGenesis 社は、遺伝子工学技術を駆使して安全で効果的な移植可能な臓器を開発する、先駆的企業です。eGenesis Genome Engineering and Production (EGEN™) Platform は、遺伝子工学によって種間の分子不適合性やウイルス感染リスクに対する包括的な対応策を提供する唯一の技術です。eGenesis はこれまでに⾧期的な前臨床試験に成功しており、急性肝不全、腎移植、成人および小児の心臓移植の開発プログラムを進めています。詳細は www.egenesisbio.com をご覧ください。

上記翻訳文は、eGenesis 社のプレスリリース原文(英語)を当社において翻訳したものです。 上記翻訳文を資料としてご利用になる場合は、eGenesis 社発表の原文と照合し、その適否を判断して頂くようお願い致します。

eGenesis and OrganOx Announce Successful Use of a Genetically Engineered Porcine Liver with a Human Donor